外国人労働者の受け入れは賛成?反対?外国人労働者の受け入れメリット

ベトナム人技能実習生の入国時の様子

ベトナム人技能実習生の入国時の様子

日本は経済連携協定(EPA)に基づき、平成20年度よりインドネシア、平成21年度よりフィリピン、平成26年度よりベトナムからの看護師・介護福祉士候補者の受け入れを開始しました。 看護師・介護福祉士国家試験に合格するため、外国人候補者が日本語に悪戦苦闘する姿がメディアでも取り上げられ、覚えている方も多いのではないでしょうか。

国内の労働力減少などを背景として、政府は外国人労働者の受け入れ拡大を進めようとしていますが、外国人労働者の受け入れを懸念する声もあります。 今回は外国人労働者の受け入れメリットと、受け入れる際の注意点についてご紹介します。

【メリット1】 労働力を確保できる

平成28年7月13日の総務省発表によると、日本に住む日本人住民の数は1億2,589万人(平成28年1月1日時点)と、7年連続で減少しています。
ドイツやイギリス、フランスといったヨーロッパ諸国とは対照的に、日本は外国人労働者の受け入れに積極的ではありませんでした。 しかし、今後は日本における労働人口の減少が進むことが予想され、外国人労働者受け入れは労働力確保の有効な手段です。

日本人の若い世代を雇用することが難しい製造業や建設業などでは、外国人労働者がいないと仕事が回らないという現状があります。 建設業では2020年東京オリンピック開催に伴う建設需要の高まりに対応するため、2015年4月より国土交通省が「外国人建設就労者受入事業」を開始しています。

【メリット2】 職場に活気を与えられる

日本が高度経済成長期を経て世界第2位の経済大国(現在は第3位)となった要因の1つは、日本人のハングリー精神です。 しかし、最近ではハングリーさに欠ける日本人の若者も少なくありません。 社員が働きやすいように社内環境を整備しても、仕事への意欲が低い社員がいれば、組織のパフォーマンスを上げることはできません。

一方、外国人労働者は高いモチベーションを持ち、職場に活気を与えます。 技能実習生を受け入れる企業が増加していますが、実習生は日本の優れた技術・技能を学ぼうと実に熱心に働きます。 実習生は母国に家族を残して3年間就労するため、仕事に対する意欲が高いことは当然と言えるでしょう。

【メリット3】 海外進出時に役に立つ

人口減少は労働力確保を困難とするだけではなく、国内需要の縮小も引き起こします。 そのため、日本企業は生き残りをかけて海外進出を始めています。 海外展開を行うときは進出国を選定する必要がありますが、成長著しい東南アジアの国々も進出候補地となるでしょう。 ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国の1つ、人口約9,000万のベトナムは有望なマーケットであり、ベトナム南部のホーチミン市に拠点を設ける日系企業も増加しています。

海外進出する際は、優秀で現地の事情に精通する人材が必要です。 日本で外国人労働者を受け入れ、進出先で中核人材として働いてくれる人材を計画的に育成することによって、現地展開を円滑に進めることが可能です。

おわりに

平成28年1月29日の厚生労働省発表によると、平成27年10月末現在の外国人労働者数は907,896人、前年同期比で20,269人(15.3%)増加し、3年連続で過去最高を更新しました。

外国人労働者が日本で働く際に最も大きな障害となるのが言葉の問題です。 日本語でコミュニケーションを取れない場合、「上司の指示を理解できない」「自分から周囲に話しかけられない」などにより業務に支障をきたしたり、日常生活でトラブルに巻き込まれたりすることが考えられます。 外国人労働者を受け入れる場合は、受け入れる労働者の日本語運用能力を確認するとともに、受け入れ後も日本語教育に力を入れることが重要です。

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