先日、外国人技能実習機構HPに、実習生が宿泊施設を退去する際の費用負担についての注意喚起文書が掲載されていました。
外国人技能実習機構HP
技能実習を終了し帰国する際に、宿泊施設(賃貸物件)の退去費用を請求されたといった、退去費用をめぐる相談が実習機構に多く寄せられているようです。
退去費用自体は当事者間(実習生と実習実施者)で解決すべき問題ではあるが、請求に際して実習実施者と監理団体が技能実習法に抵触しないように注意し適切に対応しなさい、という意味での掲載のようです。※実習生から実費以上の金銭を請求(徴収)することは不可
賃貸物件の退去費用の考え方については、国土交通省が提供している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」で解説されています。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html
内容を備忘録的に下記にまとめました。参考になれば幸いです。
〇ガイドラインの基本定義
・通常使用による経年劣化は借主負担としない
・故意、過失による汚れや傷、破損は借主負担とする
※借主(借りる側)=実習生、貸主(貸す側)=オーナー
ポイント:「原状回復」は借主が借りた当時の状態に戻すことではない。経年変化・通常損耗は賃借人が支払う賃料の中に含まれていると明記されている。
【費用負担詳細】
〇貸主が負担するもの
・普通に暮らす中で発生した汚れ・キズなど
例)家具の設置による床の凹み、日光による床や壁の変色(日焼け)、カレンダーなどを貼った画鋲の跡、設備機器の寿命による故障
・建物の構造が引き起こす劣化と損耗
例)畳や壁の変色、床材の変色、雨漏り、ガラスの亀裂など 基本的に経年劣化とみなされる
・次の入居者のための準備の負担
例)鍵や網戸の交換、部屋や内装のハウスクリーニング
〇借主が負担するもの
・不注意によって付いた汚れ・キズなど
例)食べ物や飲み物をこぼして付いたシミ、引越し作業などで付いたキズ、油汚れ、結露の放置によるカビ、タバコのヤニ汚れやにおい、落書きなどの壁紙の張り替え、水回りの水垢やカビ